鹿児島から東京湾まで各地からの参加があり、
天気にも恵まれました。協力いただきましたたくさんの方
参加いただきましたみなさん、本当にありがとうございました。
来年度以降も、交流会を開催していきたいと思います。
今後ともよろしくお願いします。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
午前中は室内でシンポジウムをしました。
基調講演として、愛知大学の印南敏秀先生から「瀬戸内の里海文化」として、里海とはどういう海かというお話から、アマモを使った石風呂について紹介していただきました。瀬戸内海のアマモ場や海と人の生活とのつながりが見えてくるお話でした。
その後各地から参加していただいた方からの発表をしていただきました。
東京湾の鈴木裕子さん(NPO法人行徳野鳥観察者友の会)からは「東京湾奥 行徳湿地の今昔」として、まだ東京湾奥部に広大な干潟が広がっていた頃のことと、現在の行徳湿地での湿地保全活動についてお話いただきました。一度失われてしまった自然を元の姿に戻そうとするのは大変な時間と労力がいるということが伝わってきました。
大阪湾の和田太一さん(NPO法人南港ウェットランドグループ)から「大阪湾の宝島とアマモに棲む珍奇な貝の発見」として、開発の進んだ大阪湾に奇跡的に残る貴重な自然環境について話をしました。
岡田和樹さん(ハチの干潟調査隊)からは「ハチの干潟と周辺の原生干潟」として、ハチの干潟の保全の経緯と干潟が地域の方々によって利用されていること、そして周辺海域に残る原生干潟についてお話していただきました。
三浦知之先生(宮崎大学農学部)からは「宮崎にも干潟があった-その出現生物について」として、これまであまり知られていなかった宮崎県の各地の干潟と興味深い生物相についてお話いただきました。
シンポジウム全体として、一度失われた自然を復元することはとても難しい、だからこそ今残されているハチの干潟に代表されるような貴重な自然環境、そして昔から続く石風呂のような人のつながりは、これからも注目してきちんと伝えていかなければならないことを再確認できたのではないかと思います。
昼食後、朝から降っていた雨も止み、三原市の有竜島の観察に出かけました。ここはナメクジウオ生息地として天然記念物に指定されている場所です。着いたときにはまだあまり潮が引いておらず、島を少し散策した後、少し現れた能地堆(砂洲)へと渡り、観察しました。砂州の周りにはアマモやコアマモ、ウミヒルモなどが自生しており、その群落の中にはたくさんのモエビ類が見られました。砂泥質の海底にはヨツアナカシパンが多く、モミジガイやトゲモミジガイもよく見つかりました。粗い砂の砂洲を掘ると、アケガイやスジホシムシモドキがよく見つかり、参加者の方がナメクジウオも見つけられました。
観察終了後、船で岸に戻り、そこで解散としました。 今回は県外からの参加者と地元からの参加者が半々ぐらいで、地元の方との交流もよく出きたのではないかと思います。また研究者の方にも参加していただいて、野外での観察・採集を見せていただいたり、いろいろな話を聞けたこともよかったと思います。
交流会に参加・協力していただいた皆様に感謝です。 また来年もどこかで交流会を開きたいと思いますので、ぜひご参加ください。
第3回となった市民ひがた交流会、今年は7月10-11日の二日間、「干潟の原風景と人とのつながり」というテーマで広島県竹原市ハチの干潟で開催しました。全体の参加者数は49名、地元の方々にもたくさん参加・協力していただき、他地域からは東京湾や三河湾、大阪湾、瀬戸内海、九州など全国各地から参加していただきました。
7月10日(一日目)
12時30分JR
その後、賀茂川河口に移動し、地元の方々も参加していただいてハチの干潟の観察会が始まりました。
河口から外側の干潟に出ると、砂や砂泥質の干潟にはハクセンシオマネキやスナガニ、オサガニなどがたくさん出ていて、その生態をしばし観察しました。それから干潟の先に広がるアマモ場へと移動し、押し網を使って藻場の生物をみんなで探しました。網の中には、アミメハギやヨウジウオ、ハオコゼ、ゴンズイ、モエビの仲間などいろいろな魚やエビが見つかりました。大きなタイワンガザミも採れました。干潟を少し掘ると、スジホシムシモドキやトゲイカリナマコなども見つかり、それらに寄生するスジホシムシヤドリガイやヒナノズキンなど、珍しい生物も見つかりました。コアマモ群落ではナメクジウオも見つかりました。
その後、押し網でとれた魚やエビを、地元の方々の協力で、その場で油で揚げてから揚げにして食べました。アオサの素揚げも食べました。
ハチの干潟での観察を終えて、忠海の石風呂温泉岩乃屋へ移動しました。
今年で創業60周年の石風呂に入りました。岩乃屋のご主人と石風呂研究をされている愛知大学の印南先生から石風呂の説明を受けた後、着替えて早速入浴です。お風呂と言っても湯船に浸かるものではなく、床にアマモを敷いたサウナのようなお風呂です。岩盤をくりぬいた部屋の中は薄暗く、上のほうには熱い空気の層があって、立ってなどはいられません。低い姿勢で、座ったり、寝転がったりして過ごします。入ってしばらくすると汗がどーっと出てきます。しばらく入って、外に出て海の風に当たって涼んで、また入る。それを何度も繰り返します。ぬるい方とあつい方の2部屋があり、参加者はそれぞれに入って、石風呂をじっくりと堪能していました。
夜は夕食と懇親会。魚介類やお肉、野菜など地元の幸もたくさん用意していただいて、海岸でバーベキューでした。とても豪華でにぎやかな夕食になりました。
鹿児島大学の佐藤正典先生が学生と夜の満潮時刻を狙って海岸で灯火採集をされていました。ライトに照らされて、ゴカイの仲間が集まってきたところを網で掬っていました。お目当てのチロリ科の仲間も少し採れていたようです。
さらにウミホタルの観察会もして、事前に仕掛けておいたトラップを引き上げるとたくさんのウミホタルが入っており、ライトを消すと手のひらで青白く光る山盛りのウミホタルにみなさん驚かれていました。
地元西条市や愛媛の方々にもサポートをしていただき、大変お世話になりました。
交流も深められて、とても有意義な交流会になったと思います。
僕はなんだかアップアップで、あまりちゃんと写真も撮れていなかったのですが、その中から何点か写真で交流会の様子を紹介します。
加茂川河口の外側に広がる広大な前浜干潟を、無理やりパノラマ写真にしてみました。とっても広いです。地元の方々にも参加していただいて、観察会をしてみんなで沖まで歩いてユムシやカニ類などいろいろな生き物を探しました。キンセンガニとアミメキンセンガニの違いを見たり、ツバサゴカイやハマグリが出てきたり、いろいろな生物が見つかりました。ユムシは思ったようには見つからず、2匹だけ採ることができました。
加茂川河口での観察会を終えてから、河口のすぐ裏にある嘉母神社へ寄りました。ここの境内にある湧き水は名水日本一にも選ばれているそうで、みんなで美味しい水をごくごく飲んで涼をとりました。とても飲みやすくて美味しかったです。
嘉母神社の裏を流れる水路も湧き水が湧いていて、加茂川から若干の海水も入り込んで汽水になっているとのことでした。愛媛県総合科学博物館の方から貴重な水草のお話を聞くこともできました。水路を調べるといくつか気になる底生生物も見つかり、注目すべき場所でした。
その後、汽水域の干潟も観察、ここではフトヘナタリの仲間がいろいろ見つかり、みんなで見比べたりしました。
夜の懇親会の様子。2匹のユムシを20人ほどで分けて食べてみました。本当に細切れみたいな大きさでしたが、甘みは伝わったかな?
懇親会ではひうち会館さんがバーベキューの料理をご用意していただき、テラスで焼いてくださいました。肉や野菜などなど、なかなかのボリュームでお腹一杯になるぐらいいただきました。写真は焼きマシュマロを作っている様子。
二日目の野外観察は河原津海岸と高須海岸に行きました。午前中の曇り空はどこへやら、干潟に着くととってもいい天気で、絶好の観察日和でした。写真は河原津海岸での観察の様子。ここでもユムシやアナジャコに寄生共生している生き物などがいろいろと見つかりました。普段は見かけない面白い生態の生き物ばかりで、何か見つかるたびに皆さん興味津々なようでした。
写真は最後に訪れた高須海岸。こちらは綺麗な砂の干潟で、コメツキガニがびっしり。皆さんコメツキガニやスナガニなどの写真を撮っておられました。
河原津海岸と高須海岸、どちらも海岸線がよく保存されていて、潮上帯の海浜植物群落から砂浜、そして干潟へと緩やかに移行していく海岸の様子がとても素晴らしいと思います。このような連続した環境が保存されている場所は全国的にも少ないだろうと思います。
2日間ともお天気もよく、西条市の干潟を満喫できた二日間だったと思います。
たくさんの方に参加・協力いただき無事に終えることが出来ました。感謝感謝です。
今回の交流会では四国初記録といった興味深い生物も見つかっています。それらもまた写真で紹介したいと思います。