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~若手による干潟の発掘と交流~
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3月7日に私が活動している大阪の南港野鳥園で、NPO法人南港ウェットランドグループと大阪市立大学工学部環境水域工学研究室との共催で勉強会が開かれました。
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日ごろから南港野鳥園をフィールドとして活動・研究しているメンバーや干潟のシギ・チドリや野鳥の保全活動をしている方々が集まり、その成果を発表しました。





発表ではシギ・チドリ類の調査や食性についてや、南港野鳥園の干潟に生息する微小な甲虫類、フクロウの巣箱設置活動など、多岐にわたる発表が続きました。私も昨年夏の南港野鳥園でのベントス調査結果を報告しました。
その後、大阪市立大学の学生さんから野鳥園でのアオサなど緑藻類の発生の抑制に関する研究や塩性湿地の酸素動態についての研究、それから塩性湿地の二酸化炭素の排 出・吸収に関する研究についての報告が行われ、勉強会全体で南港野鳥園の生物と環境についての理解を深めることができました。

南港野鳥園は大阪湾に作られた人工的な干潟です。自然干潟と違って流入河川が無かったり、環境的には自然干潟と大きく異なっている部分もあり、そこに多くの生物が棲み付けるようにするには、やはり人間によるきめ細かな監視と手入れが必要になります。
南港野鳥園の場合は開園当時からNGO・研究者・行政がそれぞれの分野で研究や調査を行ってきており、その結果も踏まえて、ずっと話し合いを続け干潟の保全活動が行われてきました。
そういった努力があって、開園から20年以上の歳月が過ぎて現在南港野鳥園には多くのシギ・チドリが飛来し、海岸生物も様々な種類が見られるような状態が出来てきました。
大阪湾は自然の干潟や海岸がほとんど失われてしまった海域です。その中で南港野鳥園も重要な役割を果たしていることが調査や研究からわかってきています。日本の重要湿地500に人工干潟では唯一選ばれたり、国内でも有数のシギチドリ類の飛来地であることから東アジア・オーストラリア地域シギ・チドリ類重要生息地ネットワークにも参加しています。

今回のような勉強会でもNGOと地元の大学の学生たちとが調査結果を発表しあい、南港野鳥園の干潟を保全していくためにはどうしたらいいかをみんなで考える機会になったのではないかと思います。


今、日本各地(もしくは全世界)で自然再生として人工干潟の造成が盛んに行われていますが、人工干潟を造成して、そのままほったらかしのような自然再生事業も多いような気がします。上にも書いたとおり、人工干潟は自然の干潟とは異なり、常に人間によるきめ細かい監視と手入れをしてやらなければ良い状態を保つことは難しいのです。南港野鳥園の場合はNGO・研究者・行政など多くの人たちによる長年の努力があったからこそ成功しているのです。他の人工干潟はここまでの事が出来る状況にあるのでしょうか。

南港野鳥園は人工干潟の成功例として注目されていますが、良いところばかりではなく、自然干潟との違いや保全の大変さについてもきちんと訴えていかなければならないと思い、いつも活動しています。

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