~若手による干潟の発掘と交流~
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大都市大阪のど真ん中を流れる1級河川「淀川」
淀川の自然にはじめて出会ったのは僕がまだ高校生で、1998年頃だった。
新聞に掲載されていた自然観察会の案内を見て、参加してみると、そこには梅田の高層ビル群をバックにゆったりとした川の流れと、広いヨシ原、そして干潟があった。
淀川の汽水域、十三干潟(じゅうそうひがた)と呼ばれる干潟だ。
野鳥観察に興味があった僕はそれまでは一人で観察をしていたのだが、自然観察会に参加してみて驚いた。一人だとせいぜい10種類ぐらいの野鳥しか見つけられなかったのが、その日は一度に30種類以上もの野鳥を見てしまったのだ!
ちょうど春の渡りの時期で、干潟にはたくさんのシギやチドリが集まっていた。真っ赤なオオソリハシシギや、白黒のダイゼンが盛んに干潟をついばんでいた。 川面には夏羽になった綺麗なカンムリカイツブリが優雅に泳いでいた。 これらの野鳥は、これまで一人で観察していた僕にとってはまさに図鑑でしか見れないだろうと思っていた夢のような野鳥たちで、それがこんなにも身近な淀川 でたくさん見れてしまったのだ。
その自然観察会に大きな衝撃と感動を受けて、それ以来ずっと十三干潟へと通い続けている。高校生の頃から淀川自然観察会でスタッフもしている。 行く度に新しい野鳥や生き物に出会えるこの場所は、まさに都会の中に残された大自然である。ここから僕の干潟人生が始まった。
チュウシャクシギの数十羽の群れが干潟に舞い降りたり、ヨシ原からコミミズクが飛び立つこともあった。干潟の底生生物でも、十三干潟で河口域に棲む小さな 巻貝カワグチツボをはじめて見つけたことが、底生生物の世界へとのめりこんでいく大きなきっかけとなっただろう。まさにこの干潟が僕の原点である。
十三干潟や淀川汽水域は都会の中に残された貴重な干潟ではあるが、しかし逆に都市に隣接した小さな干潟であるがために、いろいろな問題も起こっている。
淀川の汽水域にヤマトシジミが生息していることが10年前ぐらいにTVで放送されると、その直後から干潟に大勢の人が入り、シジミ採りの人間で小さな干潟 は占拠されてしまった。小さな干潟なのでほんの数人干潟に入っただけでも鳥たちは警戒して干潟に降りては来れない。 初めて観察会に参加した時、あれだけたくさんいた干潟の野鳥たちは、今では潮が引いても干潟に近寄れなくなり、飛来数は年々減少している。
冬になれば、十三干潟周辺は水面を埋め尽くすぐらいの数千羽のカモたちが飛来し、大阪府下でもトップクラスの飛来地になっていた。しかし最近ではレジャーの水上スキーなどの船が季節を問わず一年中川面を走 り始め、カモたちは昼間安心して休むことが出来なってしまった。今では十三干潟周辺に飛来するカモの数は本当に少なくなってしまった。
また、多くの人が干潟を踏み荒らすことや、船が何度も行き来することで起こる波の影響だと思われるが、干潟自体の底質や生物相までもが変化してきている。以前は干 潟一面に数え切れないぐらいいたヤマトオサガニも、今では干潟が砂質化してポツリポツリとしか見つからない。ヤマトオサガニを餌として好むホウロクシギも 以前はよく飛来していたが、今ではその姿も見かけなくなった。
ゴルフの打ちっ放しや野良犬の徘徊、モトクロスバイクや模型飛行機などなど、他にも都会だからこそともいえるような脅威がたくさんある。
都会の中に奇跡的に残された小さな干潟、それは都会に住む人たちにとって身近な自然と触れ合える場所であり、そして野鳥や多くの生きものたちにとってもわずかに残された貴重な生息地である。何とか共存できる道は無いだろうか。
僕にとっては、初めて見た十三干潟の姿が、やはり一番素晴らしかったと思う。あの生きもので賑わう干潟の姿がまた戻ってくる日を願ってこれからも観察・活動を続けていきたい。
写真は十三干潟、すぐ後ろには梅田(大阪駅周辺)の高層ビル群が立ち並び、まさに都会のど真ん中に位置する
ちょうど春の渡りの時期で、干潟にはたくさんのシギやチドリが集まっていた。真っ赤なオオソリハシシギや、白黒のダイゼンが盛んに干潟をついばんでいた。 川面には夏羽になった綺麗なカンムリカイツブリが優雅に泳いでいた。 これらの野鳥は、これまで一人で観察していた僕にとってはまさに図鑑でしか見れないだろうと思っていた夢のような野鳥たちで、それがこんなにも身近な淀川 でたくさん見れてしまったのだ。
その自然観察会に大きな衝撃と感動を受けて、それ以来ずっと十三干潟へと通い続けている。高校生の頃から淀川自然観察会でスタッフもしている。 行く度に新しい野鳥や生き物に出会えるこの場所は、まさに都会の中に残された大自然である。ここから僕の干潟人生が始まった。
チュウシャクシギの数十羽の群れが干潟に舞い降りたり、ヨシ原からコミミズクが飛び立つこともあった。干潟の底生生物でも、十三干潟で河口域に棲む小さな 巻貝カワグチツボをはじめて見つけたことが、底生生物の世界へとのめりこんでいく大きなきっかけとなっただろう。まさにこの干潟が僕の原点である。
十三干潟や淀川汽水域は都会の中に残された貴重な干潟ではあるが、しかし逆に都市に隣接した小さな干潟であるがために、いろいろな問題も起こっている。
淀川の汽水域にヤマトシジミが生息していることが10年前ぐらいにTVで放送されると、その直後から干潟に大勢の人が入り、シジミ採りの人間で小さな干潟 は占拠されてしまった。小さな干潟なのでほんの数人干潟に入っただけでも鳥たちは警戒して干潟に降りては来れない。 初めて観察会に参加した時、あれだけたくさんいた干潟の野鳥たちは、今では潮が引いても干潟に近寄れなくなり、飛来数は年々減少している。
冬になれば、十三干潟周辺は水面を埋め尽くすぐらいの数千羽のカモたちが飛来し、大阪府下でもトップクラスの飛来地になっていた。しかし最近ではレジャーの水上スキーなどの船が季節を問わず一年中川面を走 り始め、カモたちは昼間安心して休むことが出来なってしまった。今では十三干潟周辺に飛来するカモの数は本当に少なくなってしまった。
また、多くの人が干潟を踏み荒らすことや、船が何度も行き来することで起こる波の影響だと思われるが、干潟自体の底質や生物相までもが変化してきている。以前は干 潟一面に数え切れないぐらいいたヤマトオサガニも、今では干潟が砂質化してポツリポツリとしか見つからない。ヤマトオサガニを餌として好むホウロクシギも 以前はよく飛来していたが、今ではその姿も見かけなくなった。
ゴルフの打ちっ放しや野良犬の徘徊、モトクロスバイクや模型飛行機などなど、他にも都会だからこそともいえるような脅威がたくさんある。
都会の中に奇跡的に残された小さな干潟、それは都会に住む人たちにとって身近な自然と触れ合える場所であり、そして野鳥や多くの生きものたちにとってもわずかに残された貴重な生息地である。何とか共存できる道は無いだろうか。
僕にとっては、初めて見た十三干潟の姿が、やはり一番素晴らしかったと思う。あの生きもので賑わう干潟の姿がまた戻ってくる日を願ってこれからも観察・活動を続けていきたい。
写真は十三干潟、すぐ後ろには梅田(大阪駅周辺)の高層ビル群が立ち並び、まさに都会のど真ん中に位置する
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