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~若手による干潟の発掘と交流~
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有明海の干潟をスイタ(潟スキー)で滑って沖まで行くと、周りは一面の泥干潟で、無数のムツゴロウたちが飛び跳ねている。
この光景が見たくて、暖かくなると毎年のように有明海に遊びに行っています。
朝の9時から干潟に滑り出していき、昼飯を食べることも忘れて干潟で過ごし、岸に帰ってきたら夕方の3時だったということもあります。6時間滑りっぱなしで全身泥まみれ、途中からは顔にも泥を塗りたくって、自分もムツゴロウになりきって泥干潟を這い回ります。


今そんな有明海についての発表を作っています。
昔の文献を見ていると、もう亡くなられていますが、諫早市在住で諫早湾を守る運動もされていた芥川賞作家の野呂邦暢さんが書かれた随筆「とびはねて潟をゆく」を見つけました。

「アニマ」という生物の雑誌が昔あったのですが、昭和52年(僕が生まれる前!)8月号がムツゴロウとトビハゼの特集でした。
その中で野呂さんがムツゴロウとトビハゼを題材にした随筆を書かれています。
その最初の書き出しがすばらしくて、有明海の干潟のことをすごくよく表しているので少し紹介したいと思います。
以下、引用です。
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「とびはねて潟をゆく」

干潟を見たことのない人に、その色を説明しようとして私は途方にくれる。

灰色、でもない。褐色、ともいえない。ならば灰褐色といえるだろうか。日常、散歩のつど目にする干潟をひとくちに灰褐色といってすましているわけにもゆかない。こういえばどうだろう。ありったけの絵具をかきまぜた色だと。そうなればもはや色彩がどうこうという段ではない。旧約聖書の初めに語られる創世記の世界に干潟は似ている。光と闇のちょうど中間のあたりに干潟を位置づければいいだろう。混沌として源初的な拡がり。すべてがあり、また何もない。虚無と豊饒をいっしょくたにかかえこんだ泥海。ムツゴロウやトビハゼがすむのはそういう世界である。

遠くから干潟を見ると、そこには何もいないように思える。平べったい軟泥がにぶく輝いているばかり。生命のしるしなどこれっぽっちも認められない。うんざりするほど退屈な眺めだ。

しかし、近寄って仔細に見ると、干潟にはさまざまな生物がはねまわっていることがわかる。鳥たち、カニ、魚介、ムツゴロウもそのひとつである。


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まさに有明海の干潟の光景。どこまでも続く泥の干潟は、ぱっと見た感じはなんにもいないように見えて、うんざりとする退屈な眺めかもしれません。でもよくよく見るとたくさんの生き物がいるんです。
干潟の色は何色かを説明するのに一言では表現できないですよね。「ありったけの絵具をかき混ぜた色」というのは干潟が持ついろいろな面や果てしない生物多様性をも表している言葉としてぴったりで、読んでいて感動しました。
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